発達障害一人暮らし奮闘記

発達障害(おまけに精神障害)診断済みの23歳女が1人でどうにか生きていく記録です。

【エッセイ】自分ルールを破られるくらいなら死にたい(発達障害のこだわり)

発達障害の中でも、自閉傾向がある人は、「自分ルール」を持っています。要するに、こだわり。自分の中の、法律とも言えるでしょう。

「自分ルール」を崩された子供は、パニックになって叫んだり、走ったり、怒ったりします。頭の中のパズルが嵌められないことが、すごくストレスだからです。

私は幼少時代、発達障害であることを見過ごされて来ました。振り返ると、「自分ルール」がたくさんありました。

・横断歩道は白しか踏まない
・テレビの音量は偶数
・おかずで汚れた白米は食べない
・シャツのボタンは一番上まで閉める

今思えば本当にどーーーでもいい!でも、小学生の私にとって、こういうルールはすごく大切でした。

何があっても絶対このルールを守ったし、他人が破っているのを見るとイライラしたり、気持ち悪くなって吐いたりしていました。(他の人は一切何も悪くないのに…。)

 

この状態で小学校に行くと、もう地獄。

おかずを服にこぼしたクラスメイトを見て吐いたり、シャツの一番上が開放されているクラスメイトを見て「こいつはダメだ」と判断したり、奇数の音量で見せられるビデオを見ないためにわざと読書したり…。ハンムラビ法典的なルールが脳内にあったのか、殴り合いのケンカを見て、自分全然関係ないのに殴った人を殴ったり(もちろん殴り返されて号泣しました、ウケる)。

いやあ、奇行の嵐ですね。よくいじめられなかったものです、と書きたいもんですが、順当にガッツリいじめられました。これに関しては、まあ、順当だよなという気持ちが強いです。

この時、ストレスに対しては

・ルールを破る他人を脳内で見下す
・泣く

この2しか、対処法がありませんでした。なんてまあ少ない選択肢!

その時は、これが「自分ルール」つまり「マジで私しか気にしてないルール」だという認知が出来ていなかった。本心から(周りのヤツらはどうしてこんなルールも守れないんだ?)とイライラしていました。

「私にはこういうルールがあるから他人が破るとストレスで…」なんて説明、到底無理でした。

 

だから、小学校が嫌いでした。先生もクラスメイトも。

私には本の世界しかなかった。授業中も、休み時間も、登下校もずっと本を読みました。小さい白い紙の中で、一定のルールの中で面白さを与えてくれる本が、大好きでした。

そんなこんなで、小学校はそれなりに(おそらく不登校にギリならないレベルで)過ごせたんです。

で、成人して、今まさに苦しんでます。「自分ルール」が破られるストレス。私は発達障害と診断されましたが、あくまで軽度。(精神障害もあるのでその影響もあるのかもしれませんが…。)でも、とにかく、ストレス。

さすがに小学生の時くらいの自分ルールが破られたくらいじゃ動じなくなったけど、職場でイライラします。

【ルール】相手が誰であろうが敬語を使わなきゃダメ!…タメ語を使われるとイライラして脳内爆発

【ルール】相手の失敗に対して不快なリアクションをしてはいけない!…されると死ぬほど不愉快

【ルール】話が通じない時はどちらも悪いから、歩みよるべき!…「こいつバカか?」みたいな反応をされると、お前も悪いだろふざけんな音頭を踊りそう

こんな感じ。一見この「ルール」、いい人にも見えるでしょ?

でもね、違うんです。私の中でこの「自分ルール」が強いだけで。私はそんなに礼儀正しい徳人ではないし、他人が破ることを許容できないから、ただの独り善がりなんです。

わかってるよ。わかってるんです。文字に起こせばバカな私にだってわかる。

いろんな人がいて、人にはいろんな価値観がある。

でも、この異常に私の脳で凝り固まっているルールを変容させることは、私にとってとても難しいです。特に対人関係の自分ルールは、私の中で強固で、イライラの元。

自分は嫌い…だとか、それは不愉快…とかじゃなくて、「自分書・対人関係ルール編にこう記述されているのに、どうしてお前は違う動きをするんだ!」という怒りに支配されるんです。

相手に手を出したくなったり、自分が車道に飛び出したくなったりしたことも、無いとは言えない。どう形容したらいいかわからないけど、本当に、本当にストレスなんです。

…ストレスを感じることは防げなくても、せめて少し、もう少し感じるストレスを少なくしたい。

現実世界では目一杯ストレスを出さずに生活してるけど、その、発達障害者が付けるべきとされている仮面ってとても苦しいです。表面上は適応しても、本心の「おかしい」「こうして」っていう気持ちが無くなる訳ではないから。

結局、どうにかストレス解消法を見つける/認知を変えるしかないのでしょうか。なんだかとっても、悲しい。

私からは社会に歩み寄っているつもりだけど、社会側が私たち側に歩み寄っている気がしないんです。

しかも、私は、「自分ルール」に適合する人しか好きになれない。それって幼い。それって虚しい。

そういった、広すぎてよくわからないストレスもまとめて、私はリュックに詰め込んで蹲っている。一人で部屋にいる時が一番荷物を降ろせるけど、本当は、誰かの前でも、荷物を降ろせたら。そうだったら、いいのにな。