【エッセイ】現世最大の敵「飲み会」
飲み会。それは「参加者全員のコミュニケーション能力が露わになる、逃れられない拷問」である。
私は飲み会が嫌いだ。会社の飲み会もサークルの飲み会も大っ嫌い。無賃労働する方が断然マシ。
理由はただ1つ。「コミュニケーションの取り方がわからない」から。わー、ザ・発達障害って感じの悩み過ぎてなんだか恥ずかしい。
でも本当にわからないんです。業務中(作業中)は、黙々とタスクをこなす。わからないことがあれば聞く。聞かれたら情報を渡す。それくらいのコミュニケーションでも成り立つじゃないですか。成り立つっていうかメインは仕事だし。
でも飲み会は違う。タスクは「仕事」じゃなくて「仕事仲間のコミュニケーション」。しかも、仕事よりもっともっと、もーっと複雑なコミュニケーション能力が要求される。例えば。
適切なタイミングで全員のドリンクを聞き出す・適切なタイミングで「飲み物足りてますか?」を聞く・面白いこと言えよ的な雰囲気を察知してボケる・自然な量の会話をする・適度な相槌を打つ・隣の卓に適度に話題を飛ばす
いやいやわかんないわかんない。高度すぎる。「適度な」「自然な」とかがわからないんだって。
というわけで、数々の飲み会でゲロを吐きたくなるような地獄の時間を味わった結果…
『何も動かない』『楽しそうではある』という私の飲み会スタンスが形成されたのである!
変なことをやらかすよりは気遣いのないヤツがいいだろう。1人でつまらなさそうなヤツよりは1人だけど楽しそうなヤツがいいだろう…という、私なりの生存戦略なのだ。
ちなみに、これを実施してから「何ニヤニヤしてんすか」と言われたことが1度だけあるけど「え〜?ニヤニヤしてますかね」と返しながらソイツの机の下の足をガン!と蹴ってやろうかと思った。
そんな調子だから、ご飯の美味しさなんかわかるわけもない。「誰も私に話を振るな」「誰も私が話してないことに気付くな」「早く次の料理来い」が頭の95%を占める。5%くらいはその場の会話に集中出来ている。たぶん。
ついでに腹の容量を感知するセンサーなんかも機能しなくなる。つまり、機械的に食べ物を胃に運ぶことになる。しかも食べている間は喋らなくて済むため必然的にその回数は増える。トータル、飲んでもいないのに食べ過ぎて帰り道は絶対にトイレで吐いてしまう…。
なんだか書いていて虚しくなってきた。どうして5000円も払ってこんな最悪な思いをしなきゃいけないんだろう。行かなければいいじゃーん、と思う時もあるんだけど、全員出席の歓迎送会に出ないのはやっぱり浮く。あと、それに出てれば「気取ってるよね」とか言われないで済むかなって…。自分は変なヤツだという自覚があるからこそ、普通になろうとしているのだ。ま、結局飲み会でも浮いてるんだから世話ないか。あーあ。
だらだら書いちゃったけど、こんなの考えてもしょうがないですね。飲み会中はディズニーアニメを思い出して、終わったら即忘れよう。休日に1人で好きなおつまみでのんびりレモンサワーを飲もう。「楽しい」と思える飲み会を迎えるのは、きっと無理なんだろうから。